流政之(Masayuki NAGARE)の彫刻ピリカ(PIRIKA)JRタワーオフィスプラザ札幌(1階)〜それは札幌の原生林の中の座敷わらしである〜
流政之(Masayuki NAGARE)の彫刻ピリカ(PIRIKA)JRタワーオフィスプラザ札幌(1階)
JR駅札幌のワインショップ「エノテカ」を行き過ぎる時に。JRタワーオフィスプラザ札幌の長い通路の奥に彫刻がある。
その彫刻のことが、いつも気になっていた。
ある時あまりにも気になるので、ふらふらと自動ドアを開け、彫刻に向かって歩いていた。
それにしてもなんと不思議な通路だろうか・・・なんと不思議な彫刻だろうか・・・。
まるで、SF映画の中のワンシーンを見ているかのようだった。
長い通路を歩き歩いて、彫刻にたどり着くと、大きな女性の形をした彫刻が、上からの照明に照らされて立っていた。
僕は、彫刻を見上げ、彫刻の周りをぐるりと回った。
彫刻の後に行くと感じで「流」と書いてあった。
僕は、「流」と言う文字に驚いた。
近くにあるプレート当ててみたら、やはりそうか、流政之の作品だった。
流政之の作品は、美術館や野外の彫刻で何度か見たことがあるが、いつもこの彫刻はなんだろうと、彫刻の力に足を止められ、作者の名前を見ると、流政之と書いてあることが、何度かあったので、そうかやはり流政之なのかと驚きを持って、ピリカという女性を見上げた。
彫刻を見上げながら、触ってみたりしながら、何分もたたずんでいた。
僕の関心は、そう・・・この「不思議さ」は、一体どこから来るのだろうかという、謎解きにあった。
ずっと見ている。
これは一体何なんだと、何分も何分も見ながら、考えてみた。
特に下の写真を見て欲しい。
これは一体何を意味しているのだろうか?
SF小説のような、と思っていたが、そうではない・・・。
これは一体何なんだ?
・壁際に等間隔に照明が配置してある。
・右側に四角形をかたどるように照明が配置してある。
・彼女(ピリカ)の上に2つ照明がある。
これは幾何学的なものなんだろうか?
そうだろうか?
いやそうでは無い気がする?
10数分、私は、そこにたたずんでいたが、どうしてもわからなかった。
一体何なんだ?
私は、帰るために入り口に戻ると、振り返り、もう一度ピリカを眺め、家に帰っていった。
家に帰っても、どうしても「あの光景」が気になって、インターネットで調べてみた。
流政之、どうやらすごく有名な彫刻家のようだ。
彫刻の紹介の文章があった。
流政之 Masayuki NAGARE
ピリカ PIRIKA
御影石267×60.4×60.4cm
原生林にたたずむ美しくも力強い女性。それは札幌のモナ・リザです。すばらしい恋を予感させるPIRIKAを目で触れ、手で触れて幸せをつかんでください。
(2003年設置)
●彫刻家 長崎出身(2018年没)
「原生林」とある。
そうか、そうだったのか。あの光景はなんだろうと思っていた光景。
それは「原生林」だったのだ。
そう言われてみると支笏湖の原生林を歩いたことを思い出した。
原生林を歩くと、木々の隙間から、太陽の木漏れ日が落ちてきて、神様が、何人もの神様が降りてきているような、幻想にとらわれた、あの素晴らしい支笏湖の原生林の散策を思い出したのだ。
あの彫刻は札幌のモナリザ?
確かに、ルーブル美術館で、モナリザの前に人だかりがあって、僕もその群衆の中の1人となって、モナリザを見ていただけいた時に、モナリザが、話しかけたそうにしていることに気がついた僕は、「二人きりになれたらいいのに」と思ったことを思い出した。
「どこかにいきましょうよ?)」、と話しかけてきそうな気がしたことを思い出した。
ピリカは、札幌のモナリザなんだろうか?
考えてみたが、どうしても違うような気がした。
それでは何がぴったりくるのか?
いろいろ考えたが、私は、座敷わらしだと思う。
ピリカの周りを見たり触ったりしてうろうろしていたら、ざしきわらしが、近くにいるような気配がした気がするのだ。
そうだ流政之の「ピリカ」、それは札幌の原生林の中の座敷童なのだ。
流政之「ピリカ」、それは歴史に残る傑作彫刻なのだ。